たかくんの成長

大学1年生、たかくんの成長を綴ります。学習記録や学生生活に関することが多いと思われます。

21 Lessons for the 21st Centuryを読んだ。瞑想は良いらしいぞ。【読書メモ】

サピエンス全史や,最近日本語版が発売になったホモデウスの作者であるユヴァルノアハラリ氏の最新作を読んだのでメモ。

サピエンス全史が人類の過去,ホモデウスが人類の未来をテーマとしていたのに対し,今作のテーマは人類の今。全21章で構成されており,各章で現代社会のさまざまな問題を取り上げ,考察している。

前半は理系寄りの話題で読みやすい。AIに仕事が奪われるとか,アルゴリズムが権力を持つだとか,そういった話が展開されている。

ハラリ氏は,今後起こるいわゆるAI革命が,かつてイギリスで起こった産業革命とは構造が全く異なるものだと指摘する。具体的には,産業革命においては,機械が人間の肉体的な機能を凌駕したいわば身体的革命だったのに対し,AI革命は機械が人間の知能面での機能を凌駕する,認知的革命であるということ。

この変革の大きさは,産業革命のそれとは比べものにならず,遥か昔に起きた農業革命ほどのインパクトがあるという。

普通にかなり未来の話をしてるな,と思っちゃったけど,これはそうだと思う。人間を人間たらしめるアイデンティティは,肉体ではなくて知性や認知能力の方にあるので,(肉体ならゾウさんがつよいし)ここにメスが入って,機械さんが投入されるとそりゃあ大革命が起こるんではないですかという話。

まあ,ただほんの少し機械学習なりを学んだ身としては,現在のAIの技術は,あくまでビッグデータのある領域で,達成したい目的に対して人間がウンウン唸っていわゆるAI技術をどう適応しようか考えるっていう段階で,いわゆる汎用的な人工知能には程遠い状況だと思っているので,さあ未来はどうかしらっていう感じ。

そして認知能力だけじゃなくて,肉体にもメスが入るよ,といっている。具体的には遺伝子操作技術だったり,サイボーグ技術の話。例えば遺伝子操作技術が確立されたとしても,それはきっと誰にでも手が届くものではなくて,世界の一部の富を持てる人のみが使用することができる。そうして生まれたいわゆる改良人間はさらに富をかき集めて・・・という無限ループ。

ここら辺は,倫理問題がどうたらでそう簡単に行くものでもないと思うけど,10年20年の話じゃなくて,50年100年のスパンで見たらかなり大きな問題になりそう。

そこから文系チックな話題にどんどん転換していって,宗教・神・正義とどんどん進んでいくんだけど,英語でのそういう用語に慣れてないもんで飛ばし飛ばし読んでいった。

教育の章がなかなか興味深くて,特にこの一節は真理だなと思った。

In such a world, the last thing a teacher needs to give her pupils is more infomation. They already have far too much of it. Instead, people need the ability to make sense of infomation, to tell the difference between what is important and what is unimportant, and above all to combine many bits of information into a broad picture of the world. (p261)

前後の流れとともに軽く訳すと,要するにこの情報過多の時代に,先生が子供に情報を与えようとする必要なんかなくて,むしろその扱い方,情報にどんな意味を見出すのか,断片的な情報からどう世界を構築するのかっていう能力が必要よ。っていう。

これってなかなか,現代の学校教育にグッサリと突き刺さるよね。言ってみれば,教科書の内容を解説するんじゃなくて,教科書の読み方を教えなさいっていう話だから。でもこれは,相当に難しい話だよね。

ハラリさんはそれが新しい時代の学び方だ,っつって,親すらもあまり頼ることは出来ないとバッサリ言ってしまっている。なぜなら親の時代は,これからくる時代とはまったく異なっているからと。

これからくる変化の激しい時代においては,常に自分自身が変化し続けて,学び続ける必要があるっていう。でも,人間はふつう変化に対して非常にストレスを抱くし,そんな芸当ができる人はほんの一握りでしょう。

 

と,いうふうに現代の諸問題を取り上げて,これからやべーよやべーよという流れできたのだが,最後の21章で,じゃあ人間はどうやって己の精神を,健康を保てばいいの?という問いに対して「まあ,瞑想しようぜ」という答えを出している。これにはかなりビックリした。そうか,瞑想か。

もちろん,すべての人に勧められるわけではない,向き不向きがあるとことわった上で,ハラリ氏の個人的な瞑想体験を書き連ねている。なんと1日2時間も瞑想するらしい。すげえ。

理屈としては,結局ストレスやいらだち,不安といった感情はすべて己の体の内部から出てくるものであるから,不安定な外に目を向けるのではなく,己の内側に意識を集中させて精神を安定させよう,というもの。

ハラリさんも,最初は疑心暗鬼だったけど,友達に勧められて10日間コースに行ってみたらビックリしたとのこと。1日2時間もやってるんだからそりゃすごいビックリがあったのだろう・・・。

 

と,読んでから結構時間が経って書き始めたので,詳細をやや忘れているけれど,ところどころになるほど!ポイントが結構あって楽しめた。一番最後のインパクトが強すぎて前半が薄れてる感はあるけど。

あとは単純に,ようそんないろんなこと知ってますねっていう。巻末の参考文献の量が半端ない。凄く小さい文字で書いてあるのに20p分くらいある。さすが世界的ベストセラーになるだけありますね。

 

21 Lessons for the 21st Century

21 Lessons for the 21st Century